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どうもこんにちは!
メディアでもよく「コロナウイルス終息はいつ?」などの見出しを見ることがあるのですが、
実際にパンデミックの終息とはどのような 状態なのか
この際ですから調べてみることにしました。
似た言葉に収束がありますのでその違いや、
新型インフルエンザやサーズ、
エボラウィルスなど
今までの感染症を振り返って終息宣言はどのような状況で出されたか?
についてまとめましたのでご参考になれば幸いです。
ではどうぞ!
「終息」と「収束」の違い
まず言葉の定義から見てみます。
「終息」は やむこと。終わること。絶えること。という意味からもわかるように
完全に終わるという意味なので、「終息」は感染症などに対して「完全に制圧した」ということです。
「収束」は おさまりがつくこと。おさまりをつけること。なので事態が収まってきていることであり、感染症や病気に対して収束するという言い方はしません。
「収束」はこの騒ぎが収まるという意味ですね。
大まかな意味合いとしては同じだと思うので記事の中では基本「終息」にしています。
同じように使われる言葉で「ピークアウト」がありますがこれは経済用語で株価や景気動向に関して「頂点に達し、それ以上は上がらない状態のこと。同時にそこから先は下落や衰退に転じること。」の意味です。
ピークアウトしても終息が近いとは限らないと思うのであくまで一時的な評価を示す言葉だと思います。
パンデミックとは?
WHO(世界保健機関)は2020年1月30日に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行を「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言しました。
これは「疾病の国際的拡大により、他国に公衆の保健上の危険をもたらすと認められる事態で緊急に国際的対策の調整が必要な事態」を指します。
そして3月11日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行を「パンデミックとみなせる」とパンデミックであると認めました。
パンデミックとは「世界中に拡散し、かつ多くの人々に感染した病気のことを指す言葉」
でその重症度に定義はないようです。問題は世界中に広がり多くの人の健康を害するところにあり、たとえ致死率数%でも世界中が罹患すればその死者数がとんでもない数に上ります。
似たような言葉にエンデミック(特定地域に限定される風土病)や、エピデミック(地域での症例が急増する局地的な流行)があります。
WHOのパンデミック警戒レベルフェーズ
1~2 ヒト感染リスクは低い~高い | (動物に対し新しい亜種ウィルスが存在する) |
3 ヒトーヒト感染はないか極めて限定される | |
4 ヒトーヒト感染が増加している証拠がある | 3~4(パンデミックアラート期) |
5 かなりのヒトーヒト感染がある証拠がある | |
6 効率よく持続したヒトーヒト感染が確立 | (パンデミック期) |
パンデミック終息宣言の目安
今までの感染症の事例から終息宣言がだされた条件は若干異なりますが、
(主にWHOが)終息宣言を出す目安としては
1 最後の感染者が確認されてからその感染症の(最長の)潜伏期間の約2倍 の期間、新規感染者がいない
2 単発的には新しい患者が発生していても世界的に収束の方向に向かっていること
などが挙げられます。 事例をみて確認します。
潜伏期間の約2倍の期間 新規感染者がいない
まず
1 「最後の感染者が確認されてからその感染症の(最長の)潜伏期間の約2倍の期間、新規感染者がいない」
ですが、
2015年 シエラレオネにおけるエボラの終息宣言
2013年以降の西アフリカ3カ国(シエラレオネ,ギニア,および、リベリア)におけるエボラ出血熱流行についてそれぞれWHOは2015年11月7日、2015年12月29日、および、2016年1月14日に終息を宣言しました。
シエラレオネ共和国(通称シエラレオネ)についての発表では、
最後の確定患者が2度の検査で陰性結果を得て、42日間新規感染者が現れず経過したためとのことです。
エボラ出血熱の潜伏期間は2~21日とされています。
感染症の最大の潜伏期間の2倍を基準にしています。
今回の新型コロナウイルスの潜伏期間
中国の天津市疾病予防管理センターの張穎副主任がインタビューで
「新たな感染確認者がゼロになってから、さらに14日間の潜伏期間が2回過ぎた後、つまり28日間ずっとゼロが続いて初めて感染状況が収束したと言える」
と語っていたようです。
厚生労働省のHPでも「現時点で潜伏期間は1-14日(多くは5-6日)」とあり、最長の潜伏期間は14日という認識でよさそうです。
ですので、新型コロナの最大の潜伏期間の2倍の28日間、新規感染者がでなければ終息宣言がだされることが考えられます。
しかしこのウィルスは感染力が強くまたステンレスなど物質上での生存期間が最大3日?との研究もありもうすこし余裕を見て30日間くらいに設定されるかもしれません。
また、現実的には世界中の新型コロナウイルスの感染者が0になりその後、28日間0が続くというのは、
日本だけならまだしも世界中に向けての終息宣言はかなりハードルが高いような気がします。
ですので
2 「単発的には新しい患者が発生していても世界的に収束の方向に向かっていること」
で終息宣言がだされるほうが現実的ではないかと考えます。
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世界的に収束の方向に向かっている
2003年の新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)では、
台湾で最後の感染者が確認されたが、それから潜伏期間の2倍にあたる20日間に、他に新たな感染者がないため
「人から人への感染が断たれた」と判断し、
WHOが事実上の流行終息宣言を出しました。
この時北京、トロント、台湾、香港でまだ約200人の患者が入院中でした。
2009年春頃から流行した新型インフルエンザの時は
2010年8月、WHOは「ニュージーランドやインドなど一部で感染が続いているものの、世界的には感染は終息に向かっており、懸念すべき状況ではない」と判断し
また「流行の程度が通常の季節性インフルエンザと変わらなくなっていること・同時にウイルスがより毒性、流行性の大きなウイルスに変異しなかったことや、治療薬タミフルに耐性を示す(効かない)遺伝子変異を持つウイルスが広まらなかったことなど、幸運に恵まれたこと」
などを挙げパンデミック終結を宣言しました。
この時は警戒レベルをパンデミックを意味するレベル6に引き上げてから1年2カ月ぶりのパンデミック終息宣言となりました。
2009年12月4日より、WHOの集計方法が変更され、感染者数の公表を中止したため流行後期の感染者数は不明ですが、2010年5月ごろより世界的に死者数が週単位で50人以下になり7月では週30人以下になっています。
この時の日本では
2010年3月31日には厚生労働省が最初の流行が沈静化したと発表し、第一波の終息を宣言しています。
その時すでに日本では感染が激減した状態が一定期間続いていたためと考えられます。
今回の新型コロナウィルスでもこのように一部地域(国)に新規感染者が発生していても世界的な感染者の減少をみて終息宣言がだされるのではないでしょうか?
そのタイミングですが、やはり世界的に脅威と感じられなくなる程度だと思うので、2009年の新型インフルエンザの時のように死者数が何十人程度で収まっている状態だと思います。
今はまだ世界的に一日でなん百人とお亡くなりになっている状況ではまだまだ遠い話だと感じますが、
ワクチンや特効薬が発見され一日も早い終息を願います。
まとめ
新型コロナウィルスの終息宣言が出される条件は
1 最後の感染者が確認されてから28日間、新規感染者がいない
もしくはより現実的な
2 死者数が激減した状態が続き、世界的に収束の方向に向かっていること
との結論に至りました。
人類はこれまでも何度も感染症に打ち勝ってきたので今度も必ず勝ちますが、
なにぶん経済への影響が大きく不安になってしまいます。😢
国立感染症研究所のSARS(重症急性呼吸器症候群)に対する方針で
患者の早期検知と即時隔離と、接触者の自宅隔離(検疫)以外には、特に有効な予防措置はない。
一般的呼吸器感染症の予防策として手洗い、うがい、マスク着用、体力や免疫力の増強をはかる、人混みへの外出を控えるなどがあげられる出典:https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/414-sars-intro.html
とあります。
世界中の感染を早く終わらせるために何をすべきか考えていきたいと思います。
最後までご覧頂きありがとうございました。
ではまた!
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