情熱大陸!芝野虎丸九段、井山裕太六冠を破った天才棋士の強さとは?その生い立ちから覗く大局観!(1月12日放送後追記)

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この記事を読むのに必要な時間は約 22 分です。

どうもこんばんは!

どうやらアメリカとイランは戦争にならずに済みそうでほっとしています。

さて今回は1月12日の情熱大陸で放送された、

囲碁の七大タイトルの一つ「名人位」を史上最年少での獲得したという芝野虎丸さんについて取り上げます。

この記事では芝野虎丸さんの生い立ちからの基本的なプロフィール

井山裕太六冠を破ったその天才と称される強さについて

発言やエピソードを交え探っていきたいと思います。

この記事を書くにあたり囲碁をちょっと勉強した程度ですが、

囲碁の世界以外にも通用するものがあるとますのでぜひ参考にしてください!

ではどうぞー!

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芝野虎丸さんのプロフィール(家族・家訓)

名前 芝野虎丸(しばの とらまる)

生年月日 1999年11月9日 現在19歳

身長/体重 165cm /45kg

出身地 神奈川県相模原市

学歴 最終学歴 東京大学附属中等教育学校?

所属 日本棋院東京本院

タイトル数 4

タイトル~称号  名人・王座 棋士段位 九段

タイトルについて

日本囲碁界の七大タイトルと開催期間は

棋聖(1-3月)
名人(9-11月)
本因坊(5-7月)

碁聖(6-8月)
天元(10-12月)
王座(10-12月)
十段(3-4月)

このうち棋聖 名人 本因坊は特に上位とされ、
三大タイトルと呼びます。

この三大タイトルに同時に在位することを大三冠(だいさんかん)と言います。
2019年現在、達成したのは趙治勲さんと井山裕太さんの2名のみです。

このほかにNHK杯や新人王戦などもタイトルに入ります。

家族構成と芝野家家訓

6人家族です。

父 芝野登志也さん(46)京都大学出身で、コンピュータゲーム開発に関わる(ゲームプランナー)

母 マリさん(年齢?

兄 芝野龍之介さん(21)東京理科大学経営学部4年で囲碁棋士二段です。

眼鏡を外すと別人のようです。

虎丸さんも眼鏡をはずすとだいぶ印象が変わるのでしょうか?

2017年10月、虎丸さんとの共著「アルファ碁Zero」を出版されています。囲碁AIの解説本です。

姉 東大大学院生 年齢?番組では触れられず プライバシーに配慮?)

妹 芝野すずさん 年齢?番組では触れられず プライバシーに配慮?)

写真↓後列右です。2019年(平成31年3月)第13回全国高等学校囲碁大会女子団体戦優勝したときのもの。

すずさんは豊島岡女子学園高等学校囲碁部在籍で1年生にも関わらず主将を務め、「女子9路盤(一つ小さい碁盤)戦」で優勝されました。また令和元年7月の第43回文部科学大臣杯 全国高校囲碁選手権大会の女子個人で全国8位、女子団体でも全国3位の成績でした。

只者じゃない一家ですね(;^_^A

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虎丸さんの名前の由来

お兄さんの龍之介の対になる感じで「虎」、それだけだと怖いので優しいイメージの「丸」をつけたそうです。

本人は虎という強そうな名前は「人間性と合ってない」のが不満だが「覚えられやすいからまあいいか」とのこと。

ちなみに龍と虎の兄弟でいえばさま~ずの大竹さんのお子様は長男、龍臣(りゅうじん)くん 次男、泰雅(たいが)=タイガー(虎)くんでしたね。

個人的に虎丸ときくと「魁!!男塾の虎丸龍次」が浮かびますが(笑)、、番組を見るかぎり関係なさそうです(笑)

芝野家の家訓

芝野家の家訓が5つあるそうです。
1とにかく頑張る

2明るく前向きに

3自分を信じる

4気持ちで勝つ

5みんなに感謝する

特に意味深な言葉でもないようですが、、、たぶんちゃんと実践すれば大成できるのでしょう!

しかし、芝野虎丸さん本人は「覚えていない、そんなことあったかなー」程度だったそうです。

お父さんが「昔から色々やってくれていた、やるからには全力でやれ、と檄を飛ばしていた」というのははっきり覚えていて、棋士になってから色紙に「全力」の文字を書いていたのはお父さんからのアドバイスがあったからだそうです。

 

父・登志也さんによれば教育方針は、「コミュニケーション重視」で

「以心伝心ではなく、会話でコミュニケーションを取ることを心がけてきました親が何を考えているのかを理解させたいし、子供たちがそれをどう思っているのかも正確に汲み取りたい。その上で、最終判断は子供たちの自主性に任せてきました」とのこと。

さすが京大!曖昧にせずきちっと理論を抑えた理想的な教育方針だと思います!何がすごいってそれを何年にもわたって実践できることです。それには奥様も理解し協力されてきたのだと思います。

芝野さんの囲碁の歴史

幼少期~プロになるまで

囲碁を始めたのは4歳のとき。(5-6歳説もあり?)

きっかけはお父さんが漫画「ヒカルの碁」が好きで、ゲーム(ニンテンドーゲームキューブ)を買ってきて家族みんなでやっていたことからはじまりました。それまで家族の誰もだれも囲碁のルールも知らなかったそうで、みんなで取り組むなんて仲良すぎですね(笑)
まずお兄さんがプロになりたい思いが強く、囲碁道場の「洪道場」に入り、それに当時小学3年生の虎丸さんがついていく形だったそうです。

ここで出会った洪清泉さんとは現在でも師弟関係です。(写真は虎丸さんが小4の時)

お父さんからは「兄に引きずられて入ったようなもの」と言われています。
入ったころはハンデを付けても勝てなくイヤになり正直やめたかったが、
親御さんが本を買ってくれたりしてやめたいと言い出せなかったので続けていたそうです。
囲碁に関する本は1000冊くらいありほとんど読んだとか!

ものすごく好きではなかったものの囲碁を始めたときは負けると悔しくて泣いていたそうです。それも上達の原動力になったのでしょう。
プロになってからは負けると実力が伴わなかったと思い、また勉強しようという気持ちに切り替えているようです。

余談ですが、小学校低学年ぐらいからテレビが壊れてから家にテレビがなかったそうです。確かに何かに集中するにはTVはなくてもいいかもしれません。しかし小学生はTV大好きだと思うのですが、、、、

周りの子たちから何も言われなかったのでしょうか?話題についていけないといじめられてもおかしくない状況にも思えますが、たぶん頭もよく、意志の強い虎丸さんはクラスで一目おかれていたのではないかと想像します。

その後小学5年生で院生(プロ養成機関)に入ります。

それ以後は、一日中囲碁の勉強だけの日々を送ります。

9時に起きて22時ぐらいに寝るので、食事などを抜かせば一日10時間 は碁の勉強です。一番時間をかけたのは、インターネットでの対局と、打ち終わった碁の研究だったそうです。

お父さんによれば兄弟それぞれが小学6年生になった時点で「囲碁のプロを目指すか」を話し合ったそうです。虎丸さんは「義務教育を終えたら囲碁一本」と決断されたそうです。それ以降、お父さんは虎丸さんが学校の宿題を提出しないことも許したとのことで徹底していますね。

またお父さんは「私が子供たちのために出来ることは、環境を整えることだけでした。その後は、親が何か結果を期待するのではなく、本人たちが選んだ好きな道で頑張っていけばいいと思うんです」とも語っており、教育者の鏡のような名言をおっしゃられています。

しかし虎丸さんは当時を「中学の時から早退して道場に行く生活だった、勉強できなくなっていた。囲碁でやっていくのも悪くないだろうという考えになったが学校の方が好きだった」と振り返っています。

その後2014年中学3年生(14歳)の夏にプロ入り(入段)し、翌年には勝率第1位賞を獲得しました。

プロになるまでは、囲碁に猛烈にハマるきっかけも特に訪れませんでしたが(笑)
プロになり仕事としてやることになったので楽しくやろうという気持ちに変わったそうです。

高校に進学しなかったことに関しては
中学の頃からプロになれると思っていたので、将来に不安はなかった。学校が楽しかったので、高校に行きたかった気持ちはあった」ようでその絶対的な自信はどこからくるのでしょうか?

おそらくご両親の教育のたまもので自己肯定感がしっかりしていたのでしょう!たしかに今の世の中学歴だけがすべてじゃないとはいえ、さすがに中卒で世の中にでようとはなかなか覚悟できません!!

2015年(平成27年二段)、2016年(28年三段)、2017年(29年七段)と猛スピードで昇段されていきました。

史上最短の名人獲得

平成31年・令和元年(2019年)9月~10月
第44期名人戦挑戦手合で台湾出身の張栩 名人(九段)を4-1で下し史上初の10代での名人となり、九段昇段・史上最年少九段昇段しました。(優勝賞金 3100万円)

19歳11カ月で名人となり、初段から九段昇段に要した期間は5年1カ月で史上最短の記録を塗り替えました。

第67期王座戦挑戦手合(10月25日~11月29日全4局)で井山裕太 王座(九段)を3-1で下し王座のタイトルを奪取しました(優勝賞金 1400万円)
20歳0ヶ月での2冠達成は史上最年少記録となりました。

番組ではその4局にわたる大局の様子も放送されました。

芝野虎丸さんの囲碁への取り組み方

ここからは発言などから芝野虎丸さんの囲碁の特徴を見ていきましょう。

師匠の洪先生によると
「虎丸は相手を意識しないところがある。始まったら緊張したりせず碁盤だけを見て碁盤に全力を尽くす。またかなり自主的に自分で考えて動いている。父親の教育方針もあると思う。自分で何をすればいいか考えることをやっている」
「道場のポリシーで個人個人を大切にしている。個人個人の良さを観察して伸ばしていくこと、観察が大事です」

と洪先生もお父様のように虎丸さんをよく見て、自主性を伸ばすことにとても配慮されていることが伺えました。マイペースで集中して碁を指す、そのままに棋士として成長されたのが今の姿というのは納得がいきます。

囲碁を続けるモチベーションを聞かれて
「とくにはない。成り行きでやっている、もちろん囲碁は楽しい。」と名人らしからぬセリフが聞けるのも虎丸さんならではの個性ですね。

虎丸さんの強みは何か?

では虎丸さんの強みなんでしょうか?そのコメントに注目です!

本人曰くメンタル面が強みと答えています。

「感情に左右されず、相手が誰でも普段通り打てる。」

「重要な対局で勝っても大きく感情が高ぶることはないですし。対局中も、目の前の盤面だけに集中しています。」

「誰が相手とか気にせず、緊張しない」などとにかくマイペースを守ることができると言います。

2018年8月に中国ナンバーワン棋士の柯潔(かけつ) 九段と対戦し勝利した時も

「普段通りやった、勝てることもあるので強い気持ちで打っていけばいいかな」といつものマイペースでした。

しかしこれはあらゆる人に大事な能力ではないでしょうか?

このメンタルを一定に保つということができれば目的のためだけに集中力を使い、小さなことで一喜一憂せず本来の実力を出し切ることができるからです。

私もですが、緊張すると覚えたことが飛んでしまい、失敗した経験は誰にでもあると思います。

将棋の羽生善治さんも著書で「プロ同士の戦いは相手のミスがあって初めて形勢逆転できる、粘り強く自分のペースを守ることで直感や閃きがわき次の手が見える」と述べられています。追い込まれた時こそメンタルが重要だと分かります。

 

さらに「相手の動きに惑わされたくないので碁盤だけを見るようにしている、相手のぼやきなど気になるけど、頑張って忘れるようにしています」と自分の集中力も万能ではないことも分かっているようです。

また海外の一流棋士との対戦経験のある虎丸さんは日本と世界との差は「勝負どころでしっかりと勝負を決めきる力」であり

「中国の棋士は負けたら罰金、というような対局を幼少期からこなしています。なので、形勢が悪くなっても粘り強く頑張ってくる底力があるうえに、ほんのわずかでも可能性があったら諦めない。日本では、負けだと思ったら投げ場を作って投了するという風潮がある」

というように心理的な面からの分析もされています。とても理性的です。

 

また体力面でも毎日ではないものの筋トレを行っているそうです。プロ囲碁の対局は一日何時間も座りっぱなしでの勝負で体力も必要とされます。

井山名人も含め対局中に上着を脱いだり、体を前後させるなど楽な姿勢をとろうとするのが普通ですが、虎丸さんは上着も脱がず、微動だにしない。せいぜい動かすのは指先くらいだったのが印象的でした。

普通のデスクワークでも正しい姿勢のままを保持することが一番いいのですが、なかなかできません。姿勢が崩れれば意識が余計なところにいくのは誰でも経験があると思います。

ましてや頭を極限に使う対局でそれができているのは本当に脱力して集中できているからだと思います。体幹もすごいのではないでしょうか?

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虎丸さんの将棋の特徴

虎丸さんの棋譜は貪欲な攻めの将棋で、自分も傷つくが相手を徹底的に痛めつける将棋なのだそうです。

外見ではとてもそうは見えませんが、ガンガン攻める碁盤上の虎丸さんが本性では?と言われるとそうは思われたくないと否定されていました。少し図星なのかな?と感じました。

尊敬する棋士は、江戸時代の 丈和 を挙げ、その「攻撃の碁」に似ているとの指摘もあります。

(本因坊 丈和(ほんいんぼう じょうわ(1787年-1847年)は〝強力無双〟と呼ばれる激しい力碁が特徴、囲碁の三棋聖の一人、史上最強棋士候補の一人とされる)

虎丸さんは「早打ち」でも有名です。プロでも持ち時間をフルに使ったり人によっては足りなくなってしまうこともありますが、虎丸さんはとにかく素早く打ちます。

打つべきところがパッと見ただけで分かっているからです。それでもミスすることもあるでしょうが、本人はいつものメンタルの強さであまり気にしないようです。それは大局が見えているから、小さなミスは気にしないでいいとわかっているからだと思います。

囲碁の魅力について「考えた読みが一致した時が面白い」と語っており、このような積極的な攻めは冷静な読みがあってこそということが分かります。

また虎丸さんは対局中に石音がとても静かなこと、それからポーカーフェースで有名です。

大きい音を立てると迷惑になってしまうかなと思って、自然に静かになりました。世界的にも音を立てないのがマナーらしいです。ただ、依田先生(依田紀基九段。石音が大きいことで有名)が石音を立てなかったら、逆にどうなの?とは思います(笑)。」と答え、対戦中にも相手を気遣う優しさを見せます。これも冷静でないとできないことでしょう。

虎丸さんの感情の起伏が少ないことを指摘されると

「もとからそういう性格だが、できるだけ意識しないようになった」と、自分の精神状態を一定に保つために大事なことだと思います。

キーワード・大局観について

世界ランキングのトップを目指すために自分のどこを伸ばすか?と聞かれ

中韓の棋士と打ってみて違うな、と思うのが、どこに打てばいいのかわからない、難しい局面での構想力です。細かい読みよりは大局観をより磨いていきたいですね。」と語ります。

大局観とは、囲碁、将棋、チェスなどのボードゲームで、的確な形勢判断を行う能力のこととされています。これはゲームに限ったことではなくさまざまな職種でも活用できる能力だと思います。

大局観の思考の働きについてまとめると

1 現在の状況の評価ができること 今の局面は全体としてどんな状況かがわかる。
2 次のアクションの選択をどうするか? パッと考えていい選択肢を導けることが大事である。
3 リソースの配分 困ったときに使える資源をどう使うか?この先の展開を予想し、どの局面に着目するかを判断する。

となります。

将棋の羽生善治さんもTEDで関連することをお話されていました。

勝負に勝つには、あるいは後悔しない人生を生きるには、

物事を俯瞰する視点をもち、これから起こることに対し最善の手を論理的に考える必要があるという内容でした。

放送後の感想

放送後の感想としては

やはり「とらえどころがない!」という感じです。(笑)

同じ棋院のかたから「何を考えているのかわからない」など言われているのが印象的でしたし、インタビューを受けたとき、名人になっても「興奮しない」対局を振り返っても「よくわからない」など一見やる気なさそうでした。

しかし実践においては名人たちが「そう来たか!」とどよめく奇抜な一手を打つ。これは一日8時間もAI将棋での勉強されていることをしっかり活かしている成果もありますが、さらに常人には到達しきれない持って生まれた天性の才能のなせる技かなと思いました。

井山名人も虎丸さんを「日本囲碁界の日本代表であることは間違いない」とおっしゃられていましたが、世界一になる日も全く遠くないと思います。将棋では藤井聡太7段がなにかとTVにで話題になりましたが囲碁の世界ももっと注目されて欲しいですね。

まとめ(虎丸さんの強さは大局観を持っていること?)

虎丸さんの生い立ちや発言をまとめていると一つの共通性が見えてきました。

常に無駄なものを省いて、集中する対象を定めて行動しているということです。

これは大局観をもって行動されている証拠だと思います。

勝負では、相手が誰でも意識せず碁盤だけを見ていることや

感情に流されずに先を読み、攻めると決めたらとことん攻める戦略はもちろん、

生い立ちの面では、高校に行かず今やりたいと思った囲碁だけに集中したことでもいえると思います。

人生を俯瞰し、冷静に選択と集中を虎丸さんは行っているのではないか?と感じました。

「やるからには全力でやれ」

と、子どもに最も影響を与えるご両親の考え方がまさにそれを実践していたのです。

負けず嫌いで悔しい思いをしていた少年が、その悔し涙の代わりにもっと勉強しようと奮い立てるのは

より上手くなるために冷静な行動をとっているといえるでしょう。

まさに今やるべきことにフォーカスしている証拠ではないでしょうか?

感情がないとか、やる気がなさそうと感じるのは表面しか捉えていないからだと感じました。

もちろん地頭も良いと思いますが、定めた目標に向かって着実に歩を進めているから偉業も成し遂げられたのではないでしょうか?

虎丸さんたち棋士は何10通り・何百通りの手を読んで戦っています。

我々一般人の日常生活でそんないくつも分岐する選択肢があるでしょうか?

一つの事にフォーカスして理論的に対策を考える。

このことを実践して成功された虎丸さんに倣い自分の人生を考え直すチャンスにしたいと思いました。

今回は以上です。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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